●「世界自然遺産白神山地の表玄関」・西目屋村
西目屋村は青森県の南西部、秋田県との県境にあり、弘前市から車で40分、三方を山に囲まれ白神山地を源とする岩木川が日本海へと流れる自然豊かな村です。
村の歴史は古く、村内の鹿島神社に祀られる二体の等身大木造の毘沙門天は約千二百年前のものといわれ、また尾太(オップ)などの地名はアイヌ語の名残りと云われ、聖武天皇時代の大仏・鏡の鋳造には、尾太の金山の銅が奉納されたと伝えられています。
●「豊かなブナの自然」を護ってきた村人の生活
ブナの木は全国各地で見られますが、「白神山地のブナ」は他の樹種を交じえないブナの純林の割合や、若木が育ち世代交替の進む勢いなどからも稀有の存在と云えます。各地のブナ林が失われつつある今日、秋田・青森の両県にまたがり13万haに達する広大なブナ原生林を持つ白神山地は、現存する世界最大級の貴重な自然の宝庫です。かって白神山系に棲む木こり、炭焼き、マタギ達は「ブナの実一升・金一升」と云い、白神の森の価値を讃えてきました。一升の実を育てるブナ林が、金一升にも匹敵する山の恵みを生む豊穣の森であることを知る彼らは、この山と永続して共存する道を歩み、その暮らしをたててきました。
この素晴らしい自然の恵みを後世に残すため、1993年に、白神は日本初の「世界自然遺産」として登録され、貴重な動植物が分布する価値の高い生態系を保全する地域として管理されることになりました。
●西目屋村の観光と産業
白神山地の大部分は自然遺産の「核心地域」にあるため入山が制限されていますが、西目屋村には、20年ほど前に県立自然公園に指定された「暗門の滝」を中心に、誰もが気軽に世界遺産に触れることができる「緩衝地帯」が広がっております。
世界自然遺産に登録されてからは、「白神山地世界遺産センタ−」(環境省)、「白神山地ビジタ−センタ−」(青森県)が整備され、多くの人々にこの地域の素晴らしさを味わっていただいております。村でも、暗門の滝など白神山地を訪れる方々の自然探勝の基地として、近年、「アクアグリ−ンビレッジ・ANMON」を設け、コッテ−ジ 、露天風呂等の施設整備を行っております。ここを起点に車で登れる津軽峠は「自然観察歩道」のスタ−ト地点でもあり、雄大な白神山地のパノラマが一望に出来ます。村の基幹産業は、りんごと稲作を中心とした農業ですが、都市と山村の交流を目指し観光にも力を入れております。
このため、「ビ−チにしめや」(物産センタ−)、「ブナの里白神館」・「グリ−ンパ−クもりのいずみ」(交流宿泊施設)などを整備し、これらの施設も活用して農産物、山菜・舞たけ・まるめろ等の特産物の販売を拡大することに力を入れております。ここ数年の観光産業の伸びは著しく、観光と一体となった産業の育成を模索し、若者の定住化の促進を図っていくことが今後の課題であります。